特徴:ユニコード準拠の互換性で、すべての環境でチベット語データを。

MacOS X Leopard に搭載されたチベット語環境は、どんなアプリケーションでも自由自在にチベット語を使用できるだけではなく、Windows VistaやLinuxなどのすべての環境で高い互換性を実現します。

 これまでチベット語をコンピュータで使おうと思ったら何かのソフトウェアを買って新たにインストールしたり、複雑な改造をしなければいけませんでした。日本語環境であたりまえにできていたことが、チベット語ではできなかったのです。

 しかしそんな時代ももう過去のもの。大谷大学が開発したMacOS X Leopard上で動くチベット語環境を使えば、まったく何もしないで、新しいコンピュータを買ったその日から、チベット語を自由自在に使うことができるようになりました。

 これによってチベット語で、インターネットで調べものをしたり、チベット旅行でお世話になった友達にお礼のメールを送ったり、遠い外国に住んでいるチベット人どおしの家族がチャットを楽しんだり、家計簿をつけたり、そんなコンピュータを使った日常的なことが可能なのはもちろんのこと。新しい小説や文学ができたり、あたらしい本が出版されたりするなど、チベット文化の新しい一幕が開けてくるでしょう。

 またチベット語の古典文献の研究などにも、この環境はとても重要な機能を提供します。たとえば古典にでてくる、いまのチベット語では使われなくなった表現やフレーズなどを何万冊もある書籍のなかからすべての用例を瞬時に検索することができるようになりました。このような機能によってすべてのチベット語の古典文献の難解な表現もより正しく解釈することが可能にします。

 チベット語を使用する文化圏は、チベット本土だけではなくインドのラダック地方やシッキム地方、ネパール、ブータンといったヒマラヤ山脈を中心とし、北はモンゴル、ロシアまでその仏教文化圏が拡がっています。大谷大学とアップルが提供するこのチベット語環境は中央アジアの新しいチベット語文化を切り開くブレークスルーとなるでしょう。

準備:入力メニューからチベット語を選ぶだけ

MacOS X Leopard にチベット語環境は、標準装備されていますので、入力メニューからお好みのチベット語キーボードを選ぶだけで、どんなアプリケーションでも自由自在にチベット語を使用できます。

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MacOS X Leopardが搭載されているMacにはすべてチベット語環境が購入した時から搭載されています。しかし、標準では日本語の入力メニューのみしか選択されていませんので、チベット語を入力するためには、チベット語キーボード配列を使用しなければなりません。MacOS X Leopardのアップルメニューから「システム環境設定」「入力メニュー」のタブから選ぶ必要があります。

入力方法:たった5分でマスターする、簡単なキーボード配列

これまでのチベット語キーボード配列はとても普通の人には難しく、チベット人でさえもすぐに覚えることができません。しかし、MacOS X Leopard には私たちが開発した2種類のチベット語入力用キーボード配列と一般的なチベット語の転写方法である拡張ワイリー方式に準拠した合計3つのチベット語キーボード配列がバンドルされています。これによってどんな人でもたったの5分もあれば、簡単にチベット語の入力をすばやく覚えることができるでしょう。

  • Tibetan-Wylie‥‥頻繁にチベット語を入力されない方で拡張ワイリー方式のままチベット文字が入力できるキー配列です。このキーボードはデッドキーというテクノロジーが使用されており、最終的に入力する文字が確定するまでハイライト表示が行われます。拡張ワイリー方式は米国バージニア大学のTibetan Himalayan Digital Library のExtended Wylie Transciption Systemの仕様にしたがっています。
  • Tibetan-QWERTY‥‥頻繁にチベット語を入力されない方が扱いやすい、チベット文字が相当するキーの配置を覚えやすいキー配列です。結合文字を入力するためには下に結合したい文字を入力する前にFキーを打ちます。続けて次の文字を入力することで、結合文字は自動的に結合します。
  • Tibetan-Otani‥‥頻繁かつ大量にチベット語を入力される方が扱いやすい、シフトキーを使用しての入力の手間を省いたキー配列です。このキーボードはデッドキーというテクノロジーが使用されており、最終的に入力する文字が確定するまでハイライト表示が行われます。
  • 詳しいキー配列については「キーボードビューア」で確認できます。

チベット語キー配列は、20年近くにも渡るこのプロジェクトで初心者でもさまざまなデータ入力を行なうために改良を重ねて、開発されたものです。現在の最終バージョンは、三宅伸一郎(本学講師)によってデザインされたものを、スティーブ・ハートウェル(本学嘱託研究員)、野村正次郎(本学嘱託研究員)が改良・アップデートを行ないました。

活字風「Kailasa」・木版風「Kokonor」、定番の2種類のフォント

活字風「Kailasa」フォント

活字風「Kailasa」フォントのタイプフェイスは、財団法人東洋文庫が世界ではじめて日本語のタイプライターの技術を駆使して作成したチベット語タイプライターを模したタイプフェイスです。Mac OS Classic用に福田洋一(本学教授)によってデザインされたものを、MacOS X 用にスティーブ・ハートウェル(本学嘱託研究員)、野村正次郎(本学嘱託研究員)が改良・アップデートを行ないました。

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木版風「Kokonor」フォント

木版風「Kokonor」フォントのタイプフェイスは、ラサのショル・パルカンで印刷されたラサ版チベット語大蔵経などに使われている木版文字を模したタイプフェイスです。Mac OS Classic用に野村正次郎(本学嘱託研究員)によってデザインされたものを、MacOS X 用にスティーブ・ハートウェルと共同でアップデート版を作成しました。

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木版風「Kokonor」フォントにはアップル社独自のタイポグラフィー技術(Apple Advanced Typography)のさまざまな隠された機能が仕様されています。たとえば次のような母音記号のナローが連続する時に、自動的に前のナローを縮小させ、傾きを付けたりする機能を持っています。これらの機能により、ウメー文字などのさまざまなフォント・デザインが可能になることを想定して設計されています。

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ファイル名もチベット語で

MacOS X Leopardからはファイル名もチベット語でつけて大丈夫。Windows Vistaとの互換性も心配しなくていいので、好きなチベット語の名前でファイル名やフォルダ名を付けましょう。

Finder.app

これまでファイル名を付ける時どうしていましたか?時にはワイリー方式、時には発音など、さまざまな転写によってファイル名を付けていませんでしたでしょうか。これは私たちもそうでした。しかしもう安心です。これからはチベット語の書類はチベット語で名前を付けても大丈夫です。そしてSpotlightやTime MachineといったMacOS X Leopardの強力な検索機能があなたのチベット語環境を強力に支援してくれるでしょう。